第4章 極秘交際

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 早くあんなふうに、頭が真っ白になるまで抱いてほしい。  今、頭を占めているのは、そんなストレートな欲望だった。  他の人と付き合ったときには、そんなこと思わなかったのに。  郁美はあっさりしてる、といつも言われていたのに。  でも……皮肉だ。  前の彼氏のように、会いたいときにすぐ会えるわけじゃない。    制約があるからこそ、気持ちが余計に高まるのかもしれないけれど。  次に会えるのはいつなんだろう。  ドラマ撮影が佳境の今、休みはまた数カ月先になるんじゃないかな。  連絡は亮介さん経由でしかできないから、「早く会いたいです」なんて、恥ずかしくて送れないし……  と、思っていた矢先、LINE電話がかかってきた。 「郁美……」 「宗介さん! うわ、嬉しい。今、ちょうどあなたのこと、考えてたところ」
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