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「宗介……」
「なあ、どうして欲しい?」
彼はまた、しなやかに身をひるがえしてわたしの横に寝そべり、じらすように太ももに手を滑らせる。
「言わないと今日一日、何もしてやらないけど……」
瞳をきらめかせて、ちょっと意地悪な口調でささやく。
艶をたっぷり含んだ彼の言葉に、身体が熱を帯びてくる。
宗介の術中にまんまとはまってしまいそう。
でも、このまま、ただ言いなりになるのもなんだか悔しい。
「ん……別に何にもしてほしくないからいい……」
「嘘つけ。あいかわらず強がりだな、郁美は」
そう言いながら、ため息を漏らすように「俺は我慢できない……なんなら一日中、ここで過ごしたい、郁美と」と耳元で甘くささやかれ、そっと息を吹き込まれると、もうお手上げ。
「じゃあ……キスして」
彼は満足そうにうなずき、万人を魅了してやまない、少し厚ぼったい唇を重ねてきた。
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