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で、許して……くれるかな、わたしたちのこと。
彼女が否と言えば、付き合うのはとても無理だろう。
「向井がどう言おうと、俺は彼女と付き合うから。どうしてもだめだっていうなら……」
「『仕事をやめる』って言いたいんでしょ。まあ、昨今はなにかとコンプライアンスが取りざたされる時代だし、プライベートの交際までとやかく言うと、やれ俳優に人権はないのか、不当労働だ、とか文句言われそうだしね」
「じゃあ、OKってことでいいな」
宗介さんがわたしを見て、笑顔で親指を上げた。
「まあね。でも条件つきよ、もちろん。わたしがいいと言うまでは、何があっても世間にばれるようなことはご法度だから。それはわかってるわよね」
「そりゃ、気をつけるけど……」
向井さんは曖昧に言葉を濁す宗介さんを軽く睨んだ。
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