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プロローグ
目覚めたとき、もう午前10時を過ぎていた。
「宗介」
軽く肩を揺すって起こしても、宗介は目をつむったまま。
わたしはベッドからすべりおりて、シャっと音を立てカーテンを開けた。
「……まだ早えんじゃねーの」
宗介は寝ぼけた声で文句を言う。
「もう10時だよ。せっかく、ふたり一緒の休日なんだから、いつまでも寝てたらもったいないでしょ?」
そう言って、彼に目を向ける。
一糸まとわず眠りについた裸身が眩しい。
窓から差し込む光を浴びて、さらに神々しさが増している。
鍛え上げられた胸筋、適度に割れた腹筋。
我が夫ながら、いつ見ても惚れ惚れしてしまう。
宗介は大義そうに寝返ってから、片肘をついた。
それから熱のこもった視線を浴びせてきた。
「それもそうだな……じゃあ、いつまでもそんなとこに突っ立ってないで、こっち来れば」
そう言って、にやっと不敵な笑みを浮かべた。
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