響 1

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響 1

近くの骨董屋で買ったギグバッグを持ち部屋を出る。 「今日ライブだから遅くなる」 部屋でリモートワークをしている父さんに伝え原付に乗り家を出る。メンバーと待ち合わせをしているファミレス”バーニーズ”に向かった。 陽平が先に来ていた。 「おう、早いな」 「家近いし」 「キキと竜はまだか」 陽平以外は同じ中学高校で中学からバンド”Muska"を組み集まってはいろんな曲をコピーしていた。 陽平は高校から俺たちの学校へやってきた。ちょうどその頃ドラムが引っ越しで抜けることになり音楽の趣味が似ていた陽平に声をかけた。 陽平の父親は昔ドラムをやっていて、陽平は興味がなく子供の頃からおもちゃ程度にしか扱ったことがなかった。俺たちと出会ってバンドに興味を持ち、家で父親に教わりながら叩いていたらしかった。 しばらくすると他のメンバーも来る。 「ちっす」 「何か腹に入れとく?」 「俺は軽くでいい」 食べ過ぎると体が重く感じていいパフォーマンスができない。食事を済ませると各々バイクに乗りライブハウスへ向かう。
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