北海道エゾシカ猟物語

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銃身の手入れが完了すると、次は弾丸の点検だ。 俺は、別の金庫を取り出す。 法令により、銃と弾丸は別々の金庫に保管することが義務付けられているからだ。 実弾数を記録したメモと、金庫内に実在する弾の数とを照合する。 間違いない。全弾確認した。 散弾銃は文字通り、同時に複数の弾を散らすように発射する銃だ。 動いている動物に弾を当てるには、散弾銃が有効なのだ。 鳥を狩る場合は、1発で小さな弾を百粒くらい散らさないとなかなか当たらないが、俺の専門はエゾシカ。 よって、シカ用の弾丸(BuckShot)を使っている。 これは、1発で9粒の弾が飛び散るようになっている。 もちろん、鳥用よりも1粒の直径は大きい。 俺の銃は、銃身が2本になっているので、引き金(トリガー)をすばやく2回引くことで、 同時に2発発射でき、計18粒が飛び散ることになる。 俺は1回の猟で、弾丸のカートリッジを12発分、持参する。 弾丸は重いので、たくさん持ち歩くのは負担になるし、 何より、たくさんの弾丸の携行は、紛失の恐れもある。 12発くらいが最も管理しやすい。 昔はエゾシカ猟のせいで、オジロワシやオオワシなどの鳥類が死亡する事例が多かった。 鷲を撃っているわけではないのに、である。 なぜ、エゾシカ猟をすると、鷲が死亡するのか。
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