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月に2度のペースで開催される、シドニー支店と本社間でのリモート会議。
オセアニアへの進出!というのも、どうやらとんとん拍子には行かないようだ。
あの神崎が苦戦している…と言う話を聞くと、相当に大きな課題があるのだろう。
しかし、神崎ならば…という期待は誰もが持っているところ。
「…あの2人、いつまで会議の延長してんすか?」
「似た者同士ってやつだなぁ…神崎の一番の理解者は確実に、月雲だろうから」
「へぇ~…なーんか、かっこいいすね♪ビジネスパートナー!て感じで♪」
「もぉ神崎さん、さっきから絶対楽しんでますよね!?今笑いました!」
『・・・笑ってない』
「いぃえ!絶対面白がってます!」
『・・・それは当たり』
「・・・栞さん、何で分かるんすかね?神崎さんの思ってること」
「あの2人にしか分からん言語でもあるんだろ~。
月雲ー!満足したらそこ片付けとけよ~?」
そして誰もいなくなった会議室では引き続き神崎と栞の会議の延長戦が続けられた。
『結局、戦略立てるためにもフィールド作って行くことからな訳だけど…なかなかヒットしない』
「そうですねぇニューヨークみたいに日系の百貨店があれば話は違うんでしょうけど…」
真剣な表情を見せる栞を、神崎がじっと見つめる。
『・・・最近どう?』
「え?…なんですか?急に…」
『会議室、誰もいなくなったみたいだし…』
ー…本音を言えってことね?
まったく、本当にこの人は… …
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