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キラキラとした翼の瞳に引き込まれそうになる。
色素の薄い大きな瞳は宝石のように煌めいていて、思わず見惚れてしまうほどに。
ーー・・・って、見惚れてる場合じゃない!!
「ご、ごめん!ごめんね!!」
「…しおりさん?」
「本当に申し訳ないけど、一緒には住めない!」
「… …」
翼の綺麗な瞳を避けるように、正面から大きく頭を下げる。そして、畳みかけるように言った。
「私はつばさ君が思うようなかっこいい人間じゃない! 懐も深いわけじゃなくて、その…ごめん…。完全に、お酒の勢いだ… …」
まったく、情けのない話。
お酒に飲まれて、前途ある若者を振り回し…
挙句迷惑をかけてしまった。
この子は私を頼って来てくれたというのに。
こんな私を、信用して…
「…最低だよね…何をどうお詫びして良いのか。
ごめんね。本当、かっこ悪い…」
しっかり頭を下げたまま、情けなさから翼の顔を見られない。
彼はどんな表情をしているだろう。
呆れているに違いない。
腹を立てて、幻滅させてしまっただろう。
一時でも、こんな自分をかっこいいだなんて思ってしまったことに、後悔しているだろう…
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