栞と神崎

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栞と神崎

「大学生と同棲始めたぁ!?」 「こぉらぁ〜!!声のボリュームねぇ!?考えよぅねぇ!?」 唯一、と言っても良いほど、仲のよい同期の楪 美玲(ゆずりは みれい)が思わずと言った感じで叫ぶ。 お昼は大体いつも、この社食。 美玲は総務部のため職場は違うが、休憩はほぼ毎日一緒になるのだ。 「ぁ、ごめん。つい…てか、同棲マジかぁ♪」 「・・・何で目をキラキラさせてんのよ?」 「だ~って、4つ年下の男子大学生と同棲生活とか…エっロ~♪」 「そーゆーのありませんからぁ」 「…ないの?」 「ないよ!」 「で?イケメン?」 そう聞かれ、ぼわんっと翼のお姫様の様に可愛らしい笑顔が浮かぶ。 「・・・イケメン、とゆーか…可愛い系?」 「ほぉ♪まぁでも、栞のタイプではない感じ?」 「何よ?私のタイプって…」 「え?栞のタイプは…営業の神崎さんでしょ?」 「は、はぁ!?そんなわけないでしょ!なんで私があんな、何考えてんのか分かんないような男…」 「・・・月雲。人を誹謗中傷する時は、せめてSNSで発信しろ」
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