突然の出会い

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「… …ごめんね。あなたにこんなこと言っても、仕方ないのにね…」 ポロポロと溢れ出す涙で濡れた瞳で、手にしたマイクを見つめながら呟く。 「あ、あの…自分、学生なんで何て言っていいか分かんないんですけど…」 「店員さん、学生さんなのね?」 「はい。バイトです」 「そっか…ごめんなさい。大人としてかっこ悪いとこ見せちゃったわね?」 「いえ…それはいいんですけど、ただ…」 何やら言いづらいとばかりに口籠る店員に、顔を上げる。 そして…その姿に釘付けとなった。 これだけ管を巻いて絡んでおいて、店員さんの顔を見るのは初めてだったのだ。 声だけ聞いていると、ちょっと高めの男性の声。てっきり男の人に話しかけていると思っていたのに… ーー・・・お、女の子だったんだ 透き通るほど透明感のある肌に、薄く金髪に染められたショートヘアがよく似合っていて、夢の国のお姫様のように輝いている。
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