突然の出会い

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昨夜はカラオケ店の美少女と語らって、久々によく泣いた。 泣いた後はスッキリとした気持ちになり、また再び…頑張れる。 自室の大きな窓を開け、青空に向かって大きく息をすぅっと吸い込んだ。 「ふぅ…よし!」 見えないエネルギーをチャージし、小さく気合を入れる。 特に変わり映えのしない日常だ。 日々仕事へ向かい、イラつくことだって沢山ある。 そんな時に弱音を吐けるような相手もおらず 弱みを見せられる恋人や友人もおらず… 帰ってグラス1杯のお酒を飲み また翌日を迎える。 そんな、変わり映えのない毎日。 たまには、猫なんて飼ってみようか…などと弱気になる時もあるが、今の独りの生活に特に不満があるわけでもなかった。 充実している訳では無いが…そんな生活を不便に感じたこともない。 それが栞にとっての日常で そこそこに安定しているこの日常が変わっていくことなど、想像をしたこともなかった。 ・・・この日までは。
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