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「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
リビングのセンターテーブルを間に向かい合ったまま、しばしの沈黙。
「…つまり、しおりさんは昨日の夜、僕と居酒屋に行ってから後の記憶が曖昧だと…?」
「・・・はぃ・・・」
「 僕の名前も覚えてなければ、僕が今日、ここに来た理由も分からない…と?」
「…おっしゃる通りでございます…」
正面から".王子様"の綺麗な瞳にじっと見つめられ
気恥ずかしいような、居心地悪さを感じてしまう。
もちろん、理由はそれだけではなく…
昨夜、カラオケ店を出て2人で同じビルの中の居酒屋に行き、語らった…のは覚えている。
内容は恐らく、栞の仕事での不満について…
だったと記憶している。
そして他には… …
『今、住むところ探してて…』
『そーなの!?じゃ、うち来れば~?』
『え?』
『あなたみたいな可愛い子なら、1人でも2人でも3人でも~♪子猫と一緒よぉ』
『ぷっ でも、猫じゃないよ?』
『店員さんは猫より可愛いよぉ♪』
『・・・狼かもしれないけど? 』
『あはは~とんだ可愛い狼さんがいたもんだぁ♪
はい!これが住所ね~?いつでもいらっしゃい。
また飲も〜ねぇ?』
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