くっつけるのはどこ?※

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くっつけるのはどこ?※

キヨくんが少し離れた僕の手を引っ張ると、僕は簡単にキヨくんの腕の中に倒れ込んだ。Tシャツ越しに感じるキヨくんの身体は、僕と違って随分厚みが感じられて、ドキドキした。 さっきと違って抱き合う形になった僕たちは、キヨくんの熱い眼差しに僕は身動きする事も出来ずに、キヨくんの唇が重なるのを待った。緊張して歯を食いしばっていたのは最初だけだった。 僕は前回、馬鹿みたいにキスしたあの時の経験を思い出して、直ぐにキスを楽しみ始めた。キヨくんの唇が僕を甘く押し付けたり、啄んだりすると、僕も誘われるままキヨくんに舌を伸ばした。 僕の口の中は、部屋で飲んだレモンスカッシュの甘い味がするだろうか。キヨくんの舌を僕も一緒になってなぞりながら、僕はすっかり夢中になった。ここは二人きりの部屋で、誰も邪魔するものは居ない。その事が僕を大胆にしたのかもしれない。 「…キヨくん、甘いキス飲ませて。」 僕はキヨくんの唇が離れた時、思わずそう言っていた。あの時の甘いキスがもう一度欲しかった。僕を征服して支配して欲しかったんだ。キヨくんは眉を顰めて言った。 「…玲って、すごい俺を煽ってくるよね。俺、玲に溺れそうなんだけど。」 そうぶつぶつ言いながら、デスクの上に手を伸ばして水滴の滴るペットボトルを手にした。 キヨくんはぼんやりそれを見つめる僕をじっと見ながら少しゴクリと飲んだ後、もうひとくち口に含むと、僕を引き寄せてそっと唇を合わせた。少しぬるいレモンスカッシュの炭酸が、口の中で弾けてそれはとても甘くて美味しかった。 僕はうっとりとキヨくんの口の中へ舌を伸ばすと、甘いその味を追いかけた。ピチャピチャと濡れた音の響く部屋の中は、僕たちだけの空間で、僕は身体がどんどん疼く様な熱さと、全身が鼓動に支配された様な感覚に荒い息を吐き出した。 「熱い…。」 僕が呟くと、キヨくんは身体を起こして自分のTシャツを脱いだ。Tシャツから覗くキヨくんの筋肉の乗った身体が現れると、僕は自分と違うそれをうっとりと見つめた。キヨくんはチラッと僕を見ると、嬉しそうに言った。 「そんな目で見つめられたら、鍛えた甲斐があるってものだな。玲は俺の身体好き?」 僕は慌てて、赤くなってるだろう顔を背けて頷いた。 「…うん。キヨくんカッコいい。でも僕の身体、本当に生っ白くて、全然やわやわだから、その、キヨくんに見せるの恥ずかしい。キヨくんって、男の鍛えた身体が好きなんじゃないの?その、男の人が好きなのってそういう事なのかなって。」 するとキヨくんは僕の着ている、柔らかなコットンシャツのボタンをひとつづつ外しながら言った。 「どうなのかな。俺は女子じゃ反応しないのは本当だけど、今まで実際に好きになった相手は玲だけだから…。何ていうか、玲だったら、筋肉があろうがなかろうが、ドキドキするし、反応し過ぎて困るって感じだ。…分かる?」 そう言って僕の手を自分の股間に触れさせた。すっかり出来上がったそこは、僕を欲しがって反応したのだと思うと、僕はもう目も手も離せなくなってしまった。ああ、僕って実は凄いエッチなんじゃないの!?
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