これ知ってる※

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これ知ってる※

僕がぼんやりした頭でキヨくんにこの苦しさから解放してほしくて頼んだせいなのか、キヨくんはおもむろに身体を離すと、床に置いてあった何かを持ち上げた。それは何かボトルの様なもので、そこからドロリとしたジェルの様なものを手のひらに出した。 「これ使って、一緒に気持ちよくなろう。玲も二人一緒の方がいいだろう?」 僕は何が起きるのか分からなかったので、キヨくんに任せるつもりでコクリと頷いた。するとキヨくんは濡れてない方の手で自分のボクサーショーツをずり下げると、すっかり興奮して臍に向かって持ち上がっている自身にそれを塗りつけた。それは何だか、ドキドキする様な光景で、僕はゴクリと唾を飲んだ。 それから壁を背に寄り掛かると、僕を呼んだ。 「玲。俺に跨って。」 僕は恥ずかしさより、何だか未知の領域への好奇心の方が勝って、いそいそとキヨくんの言う通りに、足の間に腰を降ろした。するとキヨくんの空いた手で腰をグッと引き寄せられて、僕はキヨくんに寄り掛かった。 下の方で、僕自身とキヨくんのそれを一緒に掴まれて、ヌルついたキヨくんの手でこね合わされてしまった。ぬちゃぬちゃと部屋に響く音がいやらしくて、僕は一気に頭が熱くなってしまった。 これは聞いたことがある。確かカブト何とかって言うやつじゃないのかなって、そんな冷静な考えはあっという間に霧散してしまった。この状況とキヨくんに覆われた唇とが、気持ちよくて、いやらしくて、僕はキヨくんの口の中を自分の舌でなぞりながら、もう直ぐにでも逝ってしまいそうだった。 ゆるゆると擦り合わされるのは焦らす様だったけれど、さっきから高まっていた身体はもう我慢できなかった。僕はキヨくんの首筋に顔を押し付けながら呻いた。 「あ、んんっ。キヨくんっ、僕もう無理っ。ああっ!」 キヨくんが僕をぎゅっと抱きしめると、食らいつく様なキスを落として、刺激を早めたから堪らなかった。思わずキヨくんに抱きつく手に力が入っちゃって、僕は腰をへこへこと動かしていた。 絞る様な快感で、僕は思わず大きな声で叫んでしまった。ビクンビクンとしなる身体に、キヨくんが大きく呻いて温かい飛沫を僕に掛けた。キヨくんが握った二人の昂りはグチュグチュとゆっくりと撫で擦られて、僕は終わらない快感に腰をひくつかせるしかなかった。 ああ、こんな気持ちいいの、僕初めてかもしれない。そう思ってキヨくんを見上げると、キヨくんは優しい顔をして、僕の唇を啄んで言った。 「俺、今日の事、一生忘れないから。大好きだ。…玲が可愛くてたまらない。」 僕はまだ自分のものに、キヨくんが触れているのを感じながらも、キヨくんの首に抱きついて囁いた。 「僕も、…キヨくんが大好きだよ。」
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