明樹くんは 確かにいた

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「これは、この石は僕の力の源だ。僕が初めてこの世で意識を持った瞬間から、僕とともにあった」  この石が輝かないと、やはり明樹くんは消えてしまうらしい。  私はどんな思い出を捨てでも明樹くんを守ると決めた。   「君はこの世界に現れた時、僕も吸い寄せられるようにここに来た」  明樹くんははじめ私を守るためにこの世界から追い出そうとした。  だが、輝きを失った石が絡んでいることを知って、神様たちに相談に行ったのだ。 「正直、僕が消えるだけですむのなら君を帰らせて終わりにするつもりだった。だけど石を無断で使った代償は、君にも降りかかると知って石の輝きを取り戻すしかなくなった」  もう一緒にいれないとしても、私は二人で過ごした日々を忘れたくないと思っていたが、明樹くんも同じ気持ちだったらしい。  そして私と同じように恋する相手を守るために、その記憶を手放す覚悟をしたのだ。
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