明樹くんは 確かにいた

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 夢の中でもいいからもう一度明樹くんに会いたくて、私は起き上がることなく眠りについた。  夢の続きを見られるように祈りながら。 「戻って来るなって言ったのに」  明樹くんの声はするのに姿が見えない。  そばには妙に姿勢のいいサバトラ猫がいるだけだ。  厳しい言葉の裏側に、喜びと優しさが垣間見える。  私が戻ってくるとどこかで信じていたに違いない。  母に起こされるまで見ていた夢の続きだ。  起きているときはぼんやりとしか思い出せなかったが、夢に戻った途端すべてがつながった。
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