陽のあたる場所

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陽のあたる場所

あなたに出会えて、私の時計は迷子になった。 懐かしいような、遥か彼方に来たような、忘れていたような、おとぎ話のような、そんな陽の当たる場所に迷い込んだ。 あなたを抱いて、私の身体はゆりかごになった。 やわらかくて、あたたかくて、小さくて、愛しいあなたを抱っこすると、 私はゆりかごになってあなたをずっとずっと守りたいと思った。 あなたの笑顔にふれて、私の居場所は陽だまりになった。 おだやかで、やさしくて、しずかで、ここちよい陽だまりに包まれて、 私の引き出しはぬくもりでいっぱりになった。 けれど永遠みたいなこの時間 あなたの泣き声が私を一瞬で現在に連れ戻す。 散らかったリビングにくたびれた私がそこにいる。 だから私は伝えたい。 あなたと目が合うだけで、花が咲いたように嬉しかったことを。 あなたを抱っこするだけで、泉のように優しい気持ちがわいてきたことを。 あなたの笑顔はどんな暗闇も明るく照らし、 あなたの小さな体はどんなささくれも優しく癒してくれたことを。 あなたがいつか自分で靴をはいて扉を開く時、 あなたの道を照らしてくれるように。 あなたがいつか自分の足で歩く時、 疲れた体にぬくもりがやどるように。 生まれてきてくれてありがとう。
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