ぼくのプロローグ

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ぼくのプロローグ

ワクワクが画用紙からはみだして 青空に虹を描く。 下を向いてなんかいられないほどの カラフルな笑顔を空に架ける。 この部屋をにぎやかで満タンにして 世界中を笑い声が大行進。 ひとりぼっちの壁なんか あっという間に越えてやる。 知ってるよ。 ぽっかり穴があいたみたいな寂しい気持ちがあることを。 知ってるよ。 夕闇みたいなつかめない不安があることを。 でもね ぼくの中のきらめきを ぼくの身体だけに閉じ込めておくことはできないんだ。 時計の針は止まらない。 もしも、ぼくが孤独な穴に落ちて笑顔をなくしそうになったとしても ぼくのおなかにつまった優しさが きっとぼくをあたためてくれる。 もしも僕が暗闇に迷い込んで足がすくんでしまったとしても ぼくのまぶたに焼き付いた大きな背中が ぼくに勇気と灯りをともしてくれる。 だから ぼくはぼくの足で進み続ける。 どこまでも続く大きな海に 世界一のきらめきを探しに行くんだ まだ誰も知らない山の上で ぼくだけの一番星を見つけたい。
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