第2章

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第2章

 私にはかつて、彼女達よりも前に好きだったバンド、グループがいくつかあったが、その全て。解散、または。活動休止になっている。  最初にそれを経験したのは、小学2年生の時。当時はライブに行く。という感覚もなく。ついでにいうと、まだ幼い私を連れてライブに行くという考えも両親は持っていなかった。  CDだけ買って、当時は満足だった。だけど、ある日。突然そのグループが活動休止を発表。  ファーストシーズンはそこで終了。と、言っていたから。私はその解散した日。大泣きして、小学校時代は絶対いつか戻ってくる。と信じていた。  だけど、色々あって。今はもう集まる事はないのだな。と諦めている。   それから、数年後。私は中学生になり、アニメ・漫画オタクとなり。好きな曲は全部アニメ主題歌を歌うバンドやグループになった。  ただ、ライブには相変わらずいけなかった。まだ中学生でライブが開催されるのは都会で、夜の小さいライブハウスでの活動がメイン。そんな場所に両親が行かせる訳もなく、自分達はそんなバンドに興味がないから。と行くことが出来なかった。 そうしている間に。アニメを盛り上げるために作られたバンドの解散が発表された。理由はそのアニメが終了したから。  私はその事がショックで、当時好きだった他のバンドのCDを買う事すら出来ない状態になるまで落ち込んだ。ようやく、その傷が癒えた頃にまだ、私にはあのバンドがある!と思ったが。この2年の間にそちらも解散していた。  そのバンドは元々、漫画の主人公と仲間達がバンドを立ち上げ、大切な友を送り出す為にフェスに出場する。という読者に大人気の回がアニメ放送したのをきっかけに。 実際に活動するメンバーをオーディションで決め。そのバンドはアニメ専属の主題歌や挿入歌を担当していた縁で好きになった。  そのアニメは3年ほどで終了。それからしばらくは活動していたが、解散していた。  私が、アイドルグループの活動終了に驚かなかったのは、そういう理由がある。  今まで、何度も好きになっては解散、休止を繰り返す。アイドルグループを好きになる前も。ずっと迷っていた。いや、ずっと。心の何処かでは思っていた。  また、解散するのでは?活動休止になったら、今度は誰を好きになれば良いの?と悩んだ。    小学2年生の時、ライブに行く。という考えがなかったとはいえ。大号泣して。活動再開する日を待った日々も  中学3年の受験期に、バンドの解散を知り。まだ中学生である事を理由にライブに行けず、配信で泣きながら見て、その傷を2年背負い、その間に解散してしまった好きなバンド。  その記憶があるから、私は彼女達を応援したい気持ちを、ずっと押し殺していた。  だけど、そのアイドルグループも。度重なるコンセプトの変更や。それが定まった、と思いきや、メンバーの理想とするアイドルとは離れた道に進み。続々と卒業生を出し、人数がどんどん減っていった。私がメンバー全員の名前と顔を覚えてた時には。もう、何人か卒業していた。  その度に、応援し続けるべきか。悩んだ時もある。でも、私はそれでも最後まで応援したい。そう思えるアイドルだった。  最初は実感の湧かなかった活動終了も、いざ。その時が迫ると、ふと思い出して泣いてしまう日々。  ライブに行けば良かった。と、後悔した日もある。結局、私はライブに行かなくても、沢山苦しい思いをしたから。これ以上、好きになったら。もっと傷つくんだ。と自分に言い聞かせて。私は、結局。ライブに行くことを諦めるしかなかった。  
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