俺たちなんて、こんなもの。

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 「お疲れさん」 「おー……」 白井が買ってきてくれたコンビニ弁当を夕飯にして、食後の一服を味わう白井に冷えた麦茶を差し出す。ぼんやりと天井を見つめる白井は本当に疲れた顔をしており、何か言葉をかけたいが「お疲れさん」以外の言葉が見つからない。    買うだけ買って、先に買っておいた丸テーブルと高さが合わなく放置しているソファに頭を預ける白井の目の下には、くっきりとクマが出来ていた。 「……ガチで疲れてんじゃん」 「……休みは思うように取れないし、上司は性格悪いし、現場監督はアホで全然仕事できねぇし……」 つらつらと不満を吐き出す白井の唇が動く度、唇に挟まれたタバコが小さく揺れる。うんうん、と頷きながら白井の言葉を聞き、自分のグラスに口をつける。 「お前との時間はなぁんにもとれねぇし、」 「ンがっ!ふっ!!」  思いがけない言葉に麦茶を噴き出す。白井の顔を見ると、白井は天井を見たままだった。 「……お前そういうキャラだっけ?」 「キャラも何も本音だし。お前と全然、話せてねぇじゃん」 白井はそこまで言うと、唇に挟んでいたタバコを指で挟んだ。 そのまま唇から離し、ゆっくりと煙を吐き出す。部屋の明かりの下で揺れる煙が幻想的で、俺は思わず見とれてしまった。 「………来週くらいに休みとるかぁ、」 もう一度タバコを咥えて、白井がそう呟く。 その目は天井を見たままだが、横顔は少し嬉しそうに見えた。  「いいけど、どこ行くよ?」 「お前が行きてぇ所でいいよ。どっかねぇ?」 「………じゃあ温泉行くか。どこでもいいからさ」 「いいなぁ……探すか」 「どっかあるかな」と携帯片手に行き先を探す白井の肩に頭を預け、俺は緩んだ口元を隠さずに笑った。
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