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俺たちなんて、こんなもの。
社会人というものは、可哀想なほどに時間がないものである。今日も今日とて白井は朝から仕事で、俺は1人虚しく部屋で課題消化中だ。
俺ー黒井真守は、大学進学と同時に白井との同居生活を開始した。
……と言っても、学生と社会人では生活リズムが異なり、以前のように2人の時間を確保する事が難しい。
「………はぁ、」
キーボードをたたく指を止め、肺に溜まった息を吐き出す。カチコチと音を立てて針を進める時計が指すのは17時前。そろそろ白井が帰宅する頃だが、目の前の課題は終わる気配がない。
「………明日やるかァ、」
課題提出の期限はまだ先だ。頑張る事を諦めて目を閉じると同時に、玄関のドアが開く音がした。
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