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第1話 学校に行きたくない!
じいちゃんとばあちゃんに見送られ、ぼくは重い足取りで学校に向かう。
前まで学校はとても好きな場所だった。
なのに。
「あ、アッシーと陸ちゃんだ」
磯原大貴のヤツがそう言って笑う。
アッシーこと足手まといは、ぼくのことだ。
ぼくのテストの点が悪いからクラスの平均を落としてしまった”らしい”。それで、去年の四年生よりも今年の四年生は頭が悪いとウワサされてる。
それなら三年生の頃の大貴も、ぼくと同じ悪い点数仲間だ。なのに、四年生になってから変わった。
成績も、ぼくたちにする態度も。
ぼくらをバカにするイヤなヤツになった。
”陸ちゃん”と呼ばれた相原陸君も、お姉ちゃんが使っているカワイイ鉛筆をうっかり学校に持ってきてしまったから大貴にそう呼ばれるようになった。
「トモキ君なら優しいのにね」
石田奈々ちゃんが言う”トモキ君”とは、大貴のお兄ちゃんのことだ。勉強も運動も出来るし、なにより大貴と違ってすごく優しい。
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