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動揺しながらも、どうにか学校にたどり着き、果穂の姿を教室で探したけれど、見つからない。果穂にもう一度メッセージを送信したが、当然のように返事はなかった。
放課後になり、睦美は職員室に向かい、担任教師を探した。
「先生! あの、吉野さんはどうして今日、欠席なんですか?」
「ああ、無断欠席でな。分からないんだ。時間を見つけて何度かご両親にも連絡をとってるんだが、繋がらなくてな。一ノ瀬は吉野と仲が良かったんじゃないのか? 何も聞いてないのか?」
「……ええ。だから、何も聞いてなくて心配で」
「そうか。どうしちゃったんだろうなあ?」
担任教師がそう言った瞬間、職員室内の電話にでていた教師が、慌てたようすで、担任教師によびかけた。
「田山先生、警察からお電話です。田山先生のクラスの生徒のことで、お話があるみたいです!」
「なんだって!」
担任教師は睦美の存在を忘れて、とびかかるように電話に出た。睦美は警察からの連絡の内容を確認する勇気はなく、挨拶もせずに後退りをするように職員室を出た。
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