不変

氷河期

時は就職氷河期、大学の新卒者でも内定がなかなか得られない時代。

高卒の中途採用者になった僕に仕事は無かった。
今より学歴が重視されているのも有ったと思う。
しかも知らない土地、知っている人もいない。

僕は交通誘導のアルバイトで月日を過ごす。

その間、何度も正社員登用を目指して職業安定所に通って、資格の勉強もした。

だけど、ほとんど面接にすら漕ぎ着けず、入れた会社はブラックばかりで1日どころか昼休みに逃げ帰った事もあった。

やがて僕は正社員になる事をあまり強く望まなくなり、ただひたすら交通誘導の赤い棒を振っているうちに20代は終わってしまった。