不甲斐ない長男

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俺の名前は、坂牧薫(さかまきかおる) 都内に勤めている 母親の花栄(はなえ)は、悠々自適に一人暮らし 弟の真守(まもる)は、所帯を持ち実家の近所に家を建てた 弟が引っ越しをした時 「はなちゃんも住めばよくね?」 って声をかけたら 「嫁と対立したくねーからな」 って同居を拒否してた まあな、わかるし… 不甲斐ない長男でごめん 俺は、バツ1だ 学生の頃から付き合っていた子と結婚したが 生活能力ゼロ、汚い自宅に居たくないと言う訳のわからない理由で 外で遊び回り、浮気され妊娠までされて離婚 向こうのご両親は、嫁に出す前から薄々色々気が付いていたらしく 慰謝料を直ぐに渡して来て一人になった あれからずっと一人だ 多少付き合う事もあったが 深く付き合う気力がわかず自然消滅が多かった気がする 墓は、両親の生まれ故郷にある 来ようと思えば直ぐ行けるが なかなか足が向かない いつだったか… 新型インフルエンザが流行った年か 法事に呼ばれていたがインフルエンザに罹り 電話を入れたら 「年寄り殺すつもりか」 と言われて以来行く来も失せて今に至るだよ
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