黒いのは

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スマホが鳴り画面を見た あ…母ちゃんか 「どした?」 「薫~しばらくぶり~」 元気な声が聞こえて来た 「相変わらず元気そうだね」 「元気過ぎて大変よ~」 コロコロと笑ってる 「なに、どれが忙しいん?」 母の趣味を聞いてみる 「お花もだけど習字がね、特別賞頂いちゃって箔が付いてお小遣い稼ぎで宛名書いたりしてるんさ」 なんだ? 年取っても小遣い稼ぐって… 我が母ながらちょっと笑える 「何?自慢電話?用事じゃないの?」 聞き返した 「あ~そうそう、近々真守達とさ、墓参りに行くかって…薫も行くか?」 一瞬ギクッとした ああ、弟家族と共に 一緒に墓参りに誘われた 「いや…俺はいいかな…調度仕事忙しいし」 「そうか、わかった」 「あっ、あのさ…うちの親戚でシブカワって人いる?」 ストレート気味に聞いてみた 「シブカワ?あ~渋川は、藍子さんの旧姓だよ。本家の伯母さん なに?なんかあった?」 母ちゃん前のめり気味で聞いて来る 「あ、いや、この前葬式に行った時、隣の式場で藍子伯母さん見た気がして ちょっとマナー違反だけど記帳チラ見したら【渋川 藍子】って書いてあるのが見えたから」 かなり無理ある言い訳 「旧姓書くって事は昔馴染みの人…だろうね」 だよな~ 迂闊に喋れないからな~ 「ま、古いお知り合いだったんだろうね」 そう言ってその話を終えるようにした
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