黒いのは

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俺は、邦彦の家の一番風呂に入ってる 「晩酌の支度しておくから入って来なよ」 と、バスタオルを渡され おとなしく入っている 何と無く、何と無くなんだが 俺が邦彦と及川君の話を聞いても動じなかったから 二人で何かを話したいのかと思って素直に頂く 湯につかり ここ最近の出来事を思い浮かべていた 親父の不倫相手の子供が探してる 腹違いの弟が出来た 腹違いの弟の母親が亡くなる 物凄いスピードで駆け抜けてるなぁ~ なんて思っていた 「薫さん!すみません」 慌てた様子で浴槽の扉に写る及川君 「ん?どうした?」 「先程から気になる電話番号から異常な程着信があって…」 「気になる番号?」 「はい、多分どこかの警察署からだと…」 「出たの?」 「いえ、流石に出ないですが 下三桁が110なので」 流石、及川君だな そんな数字だけでピンと来るのか 「わかった、直ぐ出る」 そう言ってバスタオルで拭き腰に巻いた瞬間に電話が鳴るのが聞こえて画面を見た やはり110番となっている 息を飲みスマホに出た 「あ、何度もお電話をすみません 坂牧 薫さんのお電話でしょうか?」 「はい…」 「こちら第八警察署です 本日トンネル内で多重事故が起きたのご存知ですか?」 「あ~はい?」 「実は、一番最初に追突された車の運転手さんの免許証が出てきまして 『坂牧 真守』さんなのですが… お身内の方ですかね?」 「は…い?真守は、弟ですが… 一人だけですか?」 物凄い嫌な予感がする 間違っていて欲しい祈りながら聞き返した 「あ~いえ、車の中に後三人のご遺体がありまして」 「ご遺体!?」 心配そうに見つめていた二人が愕然とした顔になったのが目に入った 俺は、スマホが手から落ち足から崩れてしまった 落としたスマホを及川君が拾い上げ 自分は、友人で弁護士をしていると警察官に伝え 全て聞いてくれた そして、俺は車に乗せられ警察署に向かう
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