黒いのは

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「あの日、オレ出張でこっちに来てて 見舞いと思って病院へ行ったら転院手続きしてる邦定に会って 『知ってたか?』ってカオの店に連れて行ってもらった」 「ちょっと待って!! うちの親父は、カオさん知ってるの?」 「ああ…花栄ちゃんも知ってる オレが藍子と結婚したが 藍子が凄いヤキモチをやいてて カオを殺しそうな勢いだったんだ で、その時にオレとカオじゃなくて 邦定とカオにすれば藍子さんの気は収まるんじゃないかと…花栄ちゃんが…」 「え?」 「本当にあの頃ストーカーなんて言葉なかったが 異常なまでの執着で『結婚辞める』とも言いづらくてダラダラと結婚してしまったんだよ ……だから邦定が囮役を引き受けてくれて 子供の名前も彼女を連想出来る似た様な名前にしたんだよ、薫… まあ、お前五月生まれだから薫なんだがな」 ひきつり笑いをしながら言う 「名付けって…」 「二人とも花栄ちゃん… 本当にオレは花栄ちゃんと邦定が居たおかげで殺されずすんでる」 「そうでしたか…」 そう思うと邦彦は…誰との子供なんだ? 疑問がわいてくる
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