不甲斐ない長男

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「メミとサエは?」 従姉妹の名前を出した 「あの子ら今日も仕事よ。遊びもしないで仕事、仕事、仕事。うちは、孫の顔見れないわ」 …そうだろうな 男は、いくつになってもどうにかなるが 女は、生理が終わってしまえば妊娠出来ないからな… それに藍子さん似の単だし、オカメだし って絶対言っちゃいけない事だな 「メミは、タロ君と一緒にさせちゃえばいいのに」 つい、昔から思っていた事が口から出た 「タロ君も一人だったよね?マンション買ったって聞いたよ?姑さんは、タロ君のお母さんだし安心じゃない?」 あっ、またあの顔された 本人気が付いて無いよな~ どうしようかな~って思っていたら 「あれぇ、薫か!?」 伯父さんが部屋に入ってきた 座布団を外し 「大変ご無沙汰しております」 頭を深々下げた 俺の行いが全部母の悪口になるのは知っている そんなの知っているから顔を出したくなかった いや、ずっと出さないで来た 思っていたより長い時間滞在をしてしまった こうして親父の墓参りが終わった翌週 一本の電話から親父の精算をする事になるなんて…
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