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翌日、会社は午後休を取得し
法律事務所に向かう
一体何の話だ?
全く覚えの無い話で落ち着いていられない
…しかし『マモリ』さんなんて
真守と同じかよ
ちょっと笑ってしまった
下町の路地を入った雑居ビル
そこの二階に事務所は合った
「はぁ~いよいよか…」
何が伝えられるかわからない不安が込み上げてくる
「……まさかの借金じゃありませんように。まあ、もう四十年以上経つからチャラなはず…南無」
そう呟いて俺は、法律事務所の扉を叩いた
「お待ちしておりました」
明るく迎えてくれたのは、華奢で美人な男性
「こちらへどうぞ」
と、応接室に通される
「手盆ですみません」
美人な男性がお茶を出してくれた
「あっ、恐れ入ります…」
「すみません、事務員を雇っていなくて…」
苦笑いしながら資料を持って自分の前に座る
「さて、今日はお忙しい中、お時間頂きありがとうございます」
深々頭を下げる
「いえ、やはり聞くと気になりまして…」
「そうですよね…では…早速なのですが…
坂牧さんに、弟さんがいらっしゃるのは御存知ですか?」
「はい?」
意味がわからず脳みそがストップしそうになる
「あっ、はい、僕には弟がいまよ?」
そう答えた
「あ…そうですね。えっと…義母弟って意味での弟さんがいらっしゃいます」
…義母弟?
義母弟ってなんだっけ?
義母弟…義母弟…
「!!もしかして、父は俺の親父!?」
血の気が引くのがわかった
「多分そうだと思い連絡をしました」
弁護士は、淡々と話をする
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