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相手方のお話だと父は、他界する四年前位からお付き合いをしていた…と
ああ、そう言えば
父が転院する日に母が付き添うか聞いたら
大丈夫だって言って一人で個人病院の退院と大学病院の入院手続きしたって聞いたっけな
ん?
怖かったのか一杯ひっかけて大学病院に行ったとも聞いたっけ…
あっ……ヤバイ写真もあったな
「あの…お相手の方って飲み屋の方のだったりします?」
「御存知でしたか?」
自分の勘の良さに頭を抱えた
「いや、知りもしませんでしたが
亡くなってから母から聞いた話を今、何と無く組み立てたら…」
「はい、小料理屋の女将をしていらっしゃいました」
━はぁ~━
クソやってくれたな…
「えっと…遺産ですか?もう40年以上経ちますし…」
「いえ、違います」
「まさか、義母弟の認知ですか?認知は、死後何年かしか認められないんじゃなかったでしたっけ?」
「あ、よく御存知ですね。いえ、認知も違います」
「は?じゃあ、今更なんの用事がうちにあるんです?」
ちょっと声を荒げてしまった
「お相手の方がいよいよ体が動かなくなってきて、一人息子さんに血を分けた兄弟が居る事を知っておいて欲しいと」
「ちょ、ちょっと待ってください!!
それって随分勝手な話ですよね?
不倫で盛り上がって子供作って
親父が元気になっていたら俺らが捨てられていたかも知れないのに
兄弟仲良くして欲しいって事を言ってるんですよね?
僕らそんなにお人好しじゃないですよ?」
怒り任せに出てしまう言葉は剣より鋭いはず
弁護士さんは、それを受け止めてくれる
「ってか、相手『真守』って言いました!?うちの弟は、不倫相手の姓を名付けられたって事ですか!?」
久々の怒りで頭の中がスパーク寸前になる
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