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始まり始まり〜
窓の外を見ると健気に枝先にくっついていた枯葉が風に煽られ飛んでゆくのが目に入る
「ちょっと聞いてるの!?さっきから窓の外ばっか見ちゃって!私と枯葉どっちが大事なのよ!?」
「あ、飛んでっちゃった…」
「私より枯葉がいいって言うのねっ!」
泣きだした(ふりをする)ヒロを無視し再度窓の外を眺める
「えっ、無視?こんな泣いてるのに無視??おーい、麗伊葉さ〜ん。栄屋麗伊葉さ〜ん!!!」
「うるさい」
横に向けていた顔を目の前の体ごとのり出しこちらに顔を近づけていたヒロに向き直し、奴の頬を殴る
「え、痛い…これが愛のムチ…?」
だめだ。当たりどころが悪かったのか頭がおかし、…元々か。元々からこんな奴だったと再度横目でヒロを見る
『麗伊葉』 なかなか珍しいこの名前を俺自身は気に入ってる
が、名前自体はお母さんが語呂が好きだとノリでつけたもので大した意味は込められてないらしい。なんなら漢字だって「なんかいい」という理由で変換にでてきた麗伊葉に決めたと言っていた
これを初めて聞いた時は子の名前をそんなノリでつける親なんているのかと衝撃を受けたが、自分の親がそうなんだし…、と考えることをやめた
「そう言えば転校生来るらしいよ〜」
「へぇー」
「冷たっ!どうして今日はそんなにノリ悪いのよ!いつもだったら愛してるぜ、マイハニィ(キラーン)って言ってくれるじゃない!!」
「1回も言った覚えないし、お弁当の唐揚げ食べられたのにテンション上がらない」
今日の上手に出来たのに、とぼやくと正直すまんかったと机に頭をぶつけて、真っ赤になった残念美形の額を見つめる
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