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シャワーを出て髪を乾かし、昴が用意してくれていた服に着替えた昼斗は、ダイニングの食卓についた。対面する席には昴が据わっていて、白いマグカップに入った珈琲を飲んでいる。
並んでいる皿には、レタスのサラダ、キノコとベーコンのオムレツ、そしてチーズトーストがある。おろおろと視線を彷徨わせつつ、そこにあった檸檬入りの水のグラスに、昼斗が手を伸ばした時だった。
「義兄さんって結構可愛いところがあるんだね」
「っ」
「真っ赤だよ。そこまで意識されるとは思ってなかった」
水を吹き出しかけたが堪えつつ、更に真っ赤になって昼斗は昴を見た。思わず睨んでしまう。するとこちらは余裕たっぷりの笑顔に、少しだけ意地の悪い瞳をした昴が、クスクスと笑っていた。その端正な唇が、先程己のモノを咥えていたのだと考えると、昼斗は見ていられなくなって、オムレツへと視線を下ろした。
「気にする事は無いのに」
両肘をテーブルについて、掌を頬に添え、昴が明るい声を放つ。
「……」
「怒ってる?」
「別に」
「――気持ち良かった?」
「っ」
「ふぅん。その反応は、図星かな?」
ギュッと目を閉じて、昼斗は言葉を探したが、何も見つからなかった。
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