―― 第二章 ――

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 シャワーを出て髪を乾かし、昴が用意してくれていた服に着替えた昼斗は、ダイニングの食卓についた。対面する席には昴が据わっていて、白いマグカップに入った珈琲を飲んでいる。  並んでいる皿には、レタスのサラダ、キノコとベーコンのオムレツ、そしてチーズトーストがある。おろおろと視線を彷徨わせつつ、そこにあった檸檬入りの水のグラスに、昼斗が手を伸ばした時だった。 「義兄さんって結構可愛いところがあるんだね」 「っ」 「真っ赤だよ。そこまで意識されるとは思ってなかった」  水を吹き出しかけたが堪えつつ、更に真っ赤になって昼斗は昴を見た。思わず睨んでしまう。するとこちらは余裕たっぷりの笑顔に、少しだけ意地の悪い瞳をした昴が、クスクスと笑っていた。その端正な唇が、先程己のモノを咥えていたのだと考えると、昼斗は見ていられなくなって、オムレツへと視線を下ろした。 「気にする事は無いのに」  両肘をテーブルについて、掌を頬に添え、昴が明るい声を放つ。 「……」 「怒ってる?」 「別に」 「――気持ち良かった?」 「っ」 「ふぅん。その反応は、図星かな?」  ギュッと目を閉じて、昼斗は言葉を探したが、何も見つからなかった。
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