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 え、え、えええっ!?どういう事!?  最笑ちゃん……いや、@さいわらが、携帯電話の画面から出て来た!?  その小さな平べったい紙の様な手が、俺の指に触れている!こっちを見て驚いてる!?  こっこんな時に何だけど!  俺はこの世の中の全ての物には、意思が感情があると思ってた!  ほら見ろ!「画像」にも意思はあった!  そして……!  毎日、手が届かないと分かっていても眺めていた、本物の@さいわらは。  世界中の誰にも描けない、漫画の様な最笑ちゃんが漫画の中に戻った姿である@さいわらは。  直面している異常事態も、悲鳴を上げたい程の怖さも、忘れてしまうほどの。  まさに次元が違うかわいらしさだった。  ……かっ、かわいい!かわいくて死ぬ……!  そんな、混乱しながら盛り上がった俺の頭を一瞬でクールダウンさせたのは。  ──どうだ、かわいらしいだろう。  ……その子を自分のものにしたくないか?──  どこかから聞こえて来た、誰かの声。
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