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 「お断りします!」  どこにいるかも分からない相手に僕は答えた。  ──ほほう。なぜだ──  「僕らが住む「窓」は「あっちの世界」の最笑ちゃんが大切に身に付けている持ち物のはずです。  ずっと疑問に思っていました。なぜ僕が、ここに@さいわらと共に存在しているのか……  それは「あっちの世界」でも、「憂希」は最笑ちゃんに愛されているから、なのですね?」    「奥行き」を持った@さいわらを。  最笑ちゃんをこの瞳に焼き付けておこう。  ああ。涙が出る程、美しい。  羨ましいぞ、あっちの世界の憂希。  ……でも、きっとそれはお互い様だ。  「いつか消えて行く運命ならば、@さいわらが寂しくない様に僕も一緒に消えましょう。  !」  ──そうか。残念だ……だが、良く言った──  あっ、僕の体が「窓」の中へ戻って行く……  最後に、さよなら、と口にすれば、声の主は最後にこう言った。  ──安心しろ。「窓」が消えてもお前達は消えない。  新しい「窓」で生まれ変わり、また恋に落ちるだけだ──
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