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「ぷはっ!『はひ!』ってなんだよ!」 犯罪級イケメンの彼は、 私のつい漏れた『はひ!』って言葉が面白かったらしく吹き出すように笑っている............ 犯罪級イケメンに笑われるとか、 なんか、ちょっと恥ずかしい。 「......田中さんって面白いね」 「......え、あ、いや、そんなこと......」 〝そんなことないかと〟 そう言おうとしたけど、 その言葉は口にすることが出来なかった。 何故なら、 彼の指先が私の唇に触れているから......... 「ね、連絡先教えてよ」 真っ直ぐにブラウンの瞳に、 しっかり捉えられて、息がしにくい。 「.........え、連絡、先?」 なんとか、絞り出すように、 声を出したけど、たぶん震えた......... 連絡先って、 メッセージのやり取りとかする、 あの、連絡先、だよね............? 半信半疑でスマホを取り出してみる。 これ、間違ってたら恥ずかしいやつだよ‼︎ 「ん、QR読み込んで」 「あっ、はい」 あ、良かった.........合ってた。 意味、合ってたよ‼︎ 「ん、ありがと。 じゃー、またね、田中さん」 犯罪級イケメンの彼はそう言うと、 満足げに私の頭を軽くポンポンって撫でると。 そのまま、ファミレスを後にした。
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