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プロローグ 〜優一 side〜
俺には、高校のときから付き合っている佐々木絢人という恋人がいる。
自分の思い通りにならなければ不機嫌になるワガママで、愛情表現になんて滅多にしないツンデレの、俺を顎で使うような、まるで女王様のような恋人だ。
行くのが面倒だから迎えに来て。
財布持ってこなかったから奢って。
甘いものが食べたいから買ってきて。
例を挙げればキリがないほど、ワガママの武勇伝は数知れず。
そんな恋人の願いを、俺は家来のように聞き入れ、全てを叶えてきた。
それが甘やかしであることを理解していながらも、俺も生粋の奉仕体質なのか、全てを叶えたくなってしまうのだ。
そんな俺の行動のせいで、恋人のワガママに拍車をかけたのは言うまでもないだろう。
それでも、何をしても俺が許してくれると思って、最大限に甘えてくれる恋人のことを、俺は心底愛している。
可愛くてたまらなくて、全てを許すことが当然だと思うほど、愛しくて堪らないのだ。
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