Trick or Treat?

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 だから、離れることにしたのだ。物理的な距離があれば、さすがに祈だって諦めるだろう。そう思って、東京の大学を受験することは祈には言わず、進路を聞かれるたび地元で就職すると嘘をつき続けた。彼女はそれを信じたのだろう。 『じゃあ、わたしもここに残る』  そう言って、うれしそうに笑っていた。
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