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頭の中、祈からもらった手紙の文面が踊っている。生まれてはじめて……涙がでた……仲良くしてくれて…………友達…………梨々香ちゃん、大好き……梨々香ちゃん…………大好き!!!!
「やめて……っ!」
祈の声で再生されたあの気持ち悪い手紙。道のど真ん中で梨々香は叫び、そしてアパートまでの距離をひた走った。
もしかしたら祈から手紙が届いているかもしれないとか、部屋の前で祈が待っているかもしれないとか、次から次へと浮かんでくる悪夢はぜんぶ杞憂に終わった。
もうハロウィンは終わる。なにもなかった。祈はここにいない。
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