第1章 SSRって、何?

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「痛いっ……」  香澄は、今まで集中して、拓人仕込みの高速タイピングで仕事をこなしていたが、急に背中から腰にかけて痛みが走ってしまった。  パチンっとスイッチが切れてしまったかのように、香澄は机に突っ伏した。 「はぁ…………」  無意識にため息をつく。  するとその度に香澄には考えてしまうことがあった。  それこそが、涼との関係のこと。 「私、やっぱコミュ障だ……」  さっきも、せっかく涼がたくさんキスをしてくれたと言うのに、ソシャゲのガチャ時間なんかを気にしてしまった。  その時は、それが優先事項1番だと思ってしまったわけだけど……。 「普通に考えて、その対応はないよ、私……」  冷静に考えてみれば、そもそも人間として間違ったことをしたと、香澄だって理解できる。  自分なんかに好意を持ってくれている人間より、ソシャゲを優先するなんて、一般人ならありえないだろう。  実際、ネットで調べてみるとこういう事例をよく見かける。  ゲームを優先する恋人に嫌気がさして、別れた。 (これ、今の私だ……)  そんなネットの投稿を見る度に、香澄の思考は常に負の連鎖に突入していた。
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