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「どういう意味ですか?」
香澄は返信を送ってみたものの、返ってきたのはたった1つのスタンプ。
「がんばれ……?」
拓人が送ってきたのは、香澄が推してるにゃんこ姫が、吹き出しで「がんばれ」と言っているものだった。
「どういうこと……?」
はてなマークがいっぱい描かれている、にゃんこ姫スタンプを送り返してみたものの、やはり返事はない。既読はつくのに。
でも、香澄は知っている。
拓人のアドバイスは、最終的には必ず香澄のためになるということを。
それに、今日の香澄は精神的にも疲れ切っていた。
久しぶりに、湯船にゆっくり入るのも悪くないだろうと思った。
この時、香澄の頭の中では「風呂の準備をする」という拓人からの指示を「風呂に入る」と変換されてしまっていた。
なので、その後の指示のことはすっかり忘れた香澄は、軽く風呂掃除をした後にそのままお風呂に入ろうと、脱衣所で服を脱ぎ始めたのだった。
そうして、ほぼ生まれたままの状態になった時だった。
ガラリと脱衣所の扉が突然開いたのは。
「っ!?」
「か、香澄……?」
「涼……先生……」
有名雑貨屋の袋を大量に抱えた涼が、そこにいた。
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