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「ちょ、ちょっと待ってください!!」
香澄は急いでシャワーで体の汚れを洗い流してからタオルを巻きつけ、浴槽の中に逃げた。
その間、涼が外に出ていってくれないだろうか、とほんの少し期待をした香澄だった。
けれど、涼の気配がすりガラスの扉の向こう側から消えることはない。
「あ、あの、涼先生……?」
「何?もう入っていいの?」
「そ、そうじゃなくて……ですね……」
香澄は、浴槽の中でタオルをよりキツく体に巻き付けながら返事をした。
「ど、どうして急に一緒にお風呂……なんですか?」
「君にしてあげたいことがあってね」
「してあげたいこと、ですか……?」
それって何ですか?と聞く前だった。
「今、浴槽の中にいるよね」
「え」
「じゃあ、入るよ」
「ちょ、ちょっと待っ……!?」
ガラス扉を開けて入ってきたのは、もちろん生まれたままの姿の涼。
しっかりと鍛え上げられたことが分かる、整った筋肉質の肉体は、それだけで男を感じさせた。
ちなみに、涼は何も纏っていない。
「はわわわわわ……!!」
明るいところでそれを見たことがなかった香澄は、一気に頭に血がのぼってしまい、浴槽の中で溺れそうになってしまった。
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