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「香澄!!」
溺れかかった香澄を救ったのは、もちろん涼だ。
「大丈夫?」
「あ、ありがとうございます」
そのまま、涼の素肌に抱き止められた香澄は、ダイレクトに伝わる涼の筋肉の触感にドギマギした。
心臓の音が、そのまま筋肉越しに伝わってしまいそうだと、香澄は思った。
「あ、あの……?」
「ん?どうしたの?」
「どうして……離してくれないんでしょう?」
「離さないといけない理由、ある?」
「理由って……」
涼は今、全裸で中腰の状態で洗い場にいる。
「こ、このままだと風邪を引いてしまうのでは……?」
「こうして香澄の身体で温まってるから、問題ないと思うよ」
「で、でも……」
触れ合ってるのは、せいぜい胸などの上半身。
背中から足は、完全に空気に触れていて、見ているだけで寒そうだった。
「あの、涼先生……」
香澄は、涼のあそこを見ないように目を逸らしながら
「早く、シャワーで温まったらどうでしょう?」
と言った。
「そうだね、まずは僕が体を綺麗にしないとね。一緒に湯船に入るんだから」
「ゆ、湯船に、一緒に!?」
香澄が尋ねる声は、涼のシャワーの音でかき消された。
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