第1章 SSRって、何?

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 しかも、そのアラームはこのリビングから発せられているのではない。  おそらく、2階の香澄の部屋だろう。  もし2人でもう少し大きな声で話していたら、聞こえなかったであろう小さな音。  でも、香澄はそれに気づいてしまった。 「すみません、涼先生、私ちょっと用事が」 「行かせないよ」 「え?」  涼は香澄をそのままソファに押し倒し、そのまま自分も香澄の横に寝そべった。 ギリギリ2人分の体が寝られる程の幅が、ソファにはあったのだ。 「りょ、涼先生!?ちょっと……どうしたんですか!?」  香澄は、ぎゅうっと抱きついてくる涼の腕から逃れようとみじろぎした。  けれど、涼の腕はびくともしない。  それは、涼も行かせまいと必死だったから。 「涼先生?本当にどうしたんですか……?」  香澄は、涼の様子がおかしいことに気づいた。  けれど、まだこのタイミングではその理由に気づけるほど、涼の嫉妬心を知り尽くしてはいなかった。 「立花潤、カミーユ、桜井健一、真田邦彦……」 「そ、その名前……」  いきなり、自分が今ちょうど仕事で向き合わなくてはいけないキャラクターの名前が涼から飛び出てきたことに、香澄は心底驚いた。 「どうして、涼先生がその名前を……」 「ねえ、香澄……」  涼は、怪しく目を光らせながら、自分の親指で香澄の唇に触れながらこう囁いた。 「僕とそいつら、どっちが好きなの?」 「…………へ?」
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