第1章 SSRって、何?

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「あれ?私……」 (どうしよう、涼先生が困ってる……泣き止まなきゃ……)  焦れば焦るほど、香澄の目からはどんどん涙が出てくる。  香澄はこの涙を止める方法が分からなかった。 「ごめんなさい、私!」  香澄は、涙がおさまるまで涼の側から離れなくてはと思った。  けれど立ち上がる前に、涼の腕にすっぽりと収められてしまった。 「香澄、ごめん……泣かせるつもりじゃなかったんだよ」 「違います、私が勝手に……」 「でもそれって、僕が君に選択を迫ったからだよね? あいつらと僕、どっちが好きって」 「そ、それは……」 (確かに、そうなのだけれど……) 「まさか、君が泣くほど悩むなんて思わなかったんだ……ごめん……」 「涼先生……」 「僕が、彼らよりもっと魅力的になれば、君を泣かせなくて済むのかな」 「え?」  香澄は、涼の回答の方向性が何か違うことを察した。 「待ってて、香澄」 「な、何をですか?」 「明日には僕、彼らのようになるから。そしたら今の僕よりずっと、好きになってくれるからもう迷わないよね」 「え、ちょ!」 「そうと決まれば早速……」  涼は香澄を片腕で抱きしめたまま、もう片方の手でスマホを操作し始めた。 「りょ、涼先生?何をして……」  香澄が覗き込むと、ア●ゾンの画面を涼は真剣に眺めていることが分かった。  そして検索していたのが「立花潤のウイッグ」だった。
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