第1章 SSRって、何?

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「先生?ウイッグ買うんですか……?」 「そうだけど」 「どうして」 「この髪型が好きなんだろう? 安心して。他のもちゃんと揃えてあげるから」 「え、いや、ちょっと……まっ……」 (涼先生、勘違いしてる……!?) 「先生!そうじゃないんです!!」  香澄は、涼がスマホを操作する手の上から自分の手を重ねた。 「そうじゃないって……?」 「私は、別に潤くんの髪型が好きなわけじゃないです!」 「潤……くん……?」  また、涼の声のトーンが低くなった。 「りょ、涼先生……」 「香澄が、そいつをくんづけで呼ぶなんて……」 「な、何か問題でも……?」  SNSでも、この立花潤は潤くんという愛称が一般的。その通りに、香澄も呼んだだけなのだ。それが涼にはお気に召さなかったらしいことは、香澄にもわかった。 「…………香澄はじゃあ、こいつの何が好きなの?」 「え?」 「僕はね、証明したいんだ。液晶の中でかっこつけてるだけのこいつらなんかより、僕の方がずっと香澄に相応しいって」 「え?え?」 「だから、どうすればいいか教えてよ。僕は君のいう通りに動くからさ」  そう言われたことで、香澄は余計悩んだ。  何故なら、分からないから。  この後に自分が何を言えばいいのか。 (だったらいっそ……) 「…………しをください……」 「何て言ったの?」  香澄の声のほとんどは、緊張のせいか掠れてしまい、涼には届かなかった。 「だから、その……」 「香澄?」 「選択肢を、ください!!」 「せ、選択肢?」 「はい!私が次何を言えばいいか、3択……いえ、2択でいいので、選択肢を見せてください!!」
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