1930人が本棚に入れています
本棚に追加
/271ページ
「せん……たく……?」
涼の頭には一瞬「洗濯」の文字が浮かび上がるくらい混乱したが、すぐさま「選択」の方だと気づいた。
「どういう意味?選択肢?」
「そ、それはですね……すみませんスマホ貸してもらってもいいですか?」
「いいけど……」
涼はスマホを渡した後で、内心「彼女に嫌われない方法」「彼女に自分だけを見てもらう方法」といった検索ワードでぐぐってることが香澄にバレたらどうしようと、ポーカーフェイスの裏側でソワソワした。
「あっ、いいの見つけた……これです!」
そう言って、香澄が涼に見せたのは、ネットにころ上がっていた、どこぞの乙女ゲームの画面のスクショ画像だった。
イケメンのイラストの上に
A そうだっけ?
B 知らないよ
C おやつたべたい
と表示されている画像を見て、余計涼は混乱した。
(これが、香澄が言う選択肢……?)
冗談だよね、と確認をしようと涼は香澄を見た。
そして気づいた。
(本気の顔してる……)
涼にとってある意味トラウマにもなっている「仕事中の本気」顔の香澄に、涼も
(これは、真剣に答えないといけない)
と、頭をフル回転させることにした。
最初のコメントを投稿しよう!