1930人が本棚に入れています
本棚に追加
/271ページ
「涼……先生……?」
顔を真っ赤にして、口に手を当てながら考え込んでいる様子の涼に、香澄は恐る恐る声をかけた。
「ど、どうしたんですか……?」
「あのさ、香澄」
「はい」
「本当に、僕が決めていいの?」
「何を、ですか?」
「君にもらいたい言葉」
「あっ……」
(もらいたい言葉って、選択肢のことかな?)
むしろ、もらえるならありがたい。
いつも涼がくれる愛の言葉に返事をする時が、香澄にとっては怖い時でもあった。
失敗して、攻略不可状態になってしまっても、現実世界ではリセットなんてできないのだから。
「お願いしま……」
そこまで香澄は言ってから、気づいた。
今まで見たこともないような、妖艶な笑みを涼が浮かべていた。
まるで、18禁ゲームに出てくるスチルを思わせるような、エロさと美しさが融合した、芸術のような絵が香澄の目の前に現れていたのだ。
「じゃあ……今から言うよ。君のセリフの選択肢」
最初のコメントを投稿しよう!