第1章 SSRって、何?

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 香澄が本当に言いたかったのは、涼が香澄に「二次元と俺、どっちが好きなの?」と聞いた時に、返事の仕方がわからない、ということ。  つまり、涼は香澄にそれを聞く度に、香澄を困らせていた、ということ。  冷静に考えれば簡単に導き出せることを、涼はすっかりと抜けてしまっていたのだ。 「ごめん……香澄……」  涼は謝った。自分が香澄を怖がらせていた事実に。 「涼先生……どうして謝るんですか?」  香澄は、逆に申し訳なく思った。  そんな切ない顔をさせたくて、尋ねたわけではなかったから。  ただ、香澄は涼への返事をミスして嫌われたくなかっただけ。  涼は、香澄の愛を独り占めしたかっただけ。  まだこの時点で2人の気持ちは、ちゃんと互いに伝わってはいない。  涼は、もう1度香澄の髪に触れ、軽くキスをする。  香澄を安心させるように。  それから、じっくり、ゆっくりと香澄の頬に触れてから、2つ目の選択肢をこう伝えた。 「僕が1番だって、言って欲しい」  それは、すべてのジャンルで軽々と1位を取り続けた涼が、初めて真剣に望んだ、本当の1番だった。
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