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クリスマスのスイートルーム以来、涼は香澄を抱いていなかった。
香澄を見るだけで、まるで発情期の獣のように性欲がむくむくと湧いてくる
涼ではある。
だが、お腹の赤ちゃんだって涼にとっては大事だ。
香澄を自分の元に連れてきてくれたのも赤ちゃんのおかげだとも、思っている。
それに、自分と香澄が初対面でも激しく愛し合えた奇跡の証でもある。
あの夜が夢ではない、と言うことを香澄のお腹を見る度に実感できる。
だからこそ、自分のせいで赤ちゃんに何か悪いことがあったらと思うと、最後までスることは躊躇われた。
例え、一緒に布団で横になっている時は毎回あそこが元気になったとしても、その度に頭の中で「子供の無事、香澄の無事、子供の無事、香澄の無事」と呪文を唱えることで香澄を襲わない理性を取り戻している。
ただ。
無自覚煽り小動物の香澄は、1度あそこの状態に気づかれた際に
「あまり激しくなければその……してもいいらしいですよ……」
と、耳元で煽ってきた。
その可愛らしい声だけで、涼の理性の壁のほとんどはガラガラと崩れ去ったので、繋がる直前まではしてしまったのだ。
けれど最後の最後、香澄のお腹を目にした涼は、急速な勢いで理性の壁を積み上げ直した。
(激しくしなければいい? 無理に決まってる!)
待ち望んだ2回目の繋がりなんかしたら、脳がバグるに決まっている。
もしそのせいで香澄の体にまで悪影響を及ぼしたら、一生後悔すると涼は思った。
そうして涼は誓ったのだ。
2回目は、出産して、医者から許可が出たその日まで取っておこうと。
そうすれば、思う存分香澄を味わうことができるのだから……。
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